アジア圏内では独特の関税・貿易環境


日本は、関税及び貿易の観点において、アジア各国に比べると多くの点で独特であると言えます。長きに渡り開放された先進的経済大国と位置づけられてきた日本は、世界最先端の貿易国における基準や習慣、政策などを導入してきました。またアジア各国における税関、あるいは国際貿易に関する制度及び施設の発展と現代化のため、研修や援助などを通じて寄与しました。

しかし一方で日本は、19世紀後半まで交易を中国、朝鮮、オランダに限定する鎖国状態でした。この「世界からの孤立」の名残は今日でも、国際貿易に対する日本の保護貿易的姿勢や、日本を国際的な競争に開放することに対する国民の抵抗感などに見て取れます。

結果として日本への輸入又は日本からの輸出は、非常に先進的で円滑である一面もあり、一方で保護的で制限が多い面もあります。関税率は多岐にわたると同時に、多くの輸入製品は減免制度や特恵関税の対象になります。また日本では、最近まである一定の条件下における非居住者間の販売価格を課税標準として適用する(アメリカやEUにおけるファーストセールに類似)ことを容認してきましたが、2013年の関税定率法改正によりこれが事実上不可能となり、多くの多国籍企業は日本への輸入方法の変更を余儀なくされています。

日本はまた、武器、化学兵器、生糸、穀物、あるいは特定の国で原産した製品等に対して輸入割当や輸入承認制度を設けています。更に、一部の特定の製品に対しては本邦で登記した企業が輸入者でなければならず、サプライチェーンにおける適切な時期での危険負担の移転が必要とされます。その他輸入承認が必要ではない製品に関しても、輸入前に関係当局へ申請しなければならないものもあります。輸入統計品目上の適切な分類は、単なる法令遵守にとどまらず、輸入それ自体を実施するためにも重要です。

販売時のみならず輸入時にも課される日本の消費税は、付加価値税(VAT)や物品サービス税(GST)、物品販売税など他国の制度と類似しますが、実施方法が独特であり、多国籍企業は制度の理解を誤りやすく法令違反のリスクとなり得ます。

輸出に関しては、日本は経済産業省管轄の輸出貿易管理レジームが存在します。日本からの輸出のみならず、第三国間の再輸出においても、法令が適用されます。

近年、日本は二国間あるいは多国間における自由貿易協定・経済連携協定の交渉にますます積極的になっています。特筆すべき交渉は対ASEANと対オーストラリア、また環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉です。

日本の関税局、税関は、関税法その他関係法令の施行や、関税その他輸入品に係る税の徴収に対して責任を負います。近年では税関による事後調査の件数が著しく増えており、税関の質問や疑義に対して返答する際には関係書類による裏付けが必要とされることから、輸出入を管理する手続きや過程の更なる統制が要求されます。
 

私どものサービス

私ども日本のWMSチームは、日本における関税及び貿易アドバイザリーの専門家集団として最大級の規模を誇ります。通常、実務に関するサポートは通関業者が行いますが、私どもは日本国内及び国外のお客様に対して関税及び貿易に関する方策及び戦略的なアドバイスを行うことで、これらと一線を画しています。私どもは、国外の多国籍企業が日本へ輸入する際に関連する法令の細微まで則るよう支援し、また国内からの輸出規制、及び国外子会社における輸入、再輸出に対するマネージングを行います。

私どもの専門的なサービスは、コスト削減及び戦略的機会の十分な活用に重点をおき、同時にリスク管理も行います。これらのサービスは、以下の分野にわたります:

関税プランニング

  • 関税、消費税によるコストを抑えつつ、非居住者の輸入者による利点を活かしたサプライチェーンの構築
  • 多様な関税譲許制度を用いた、関税の減免
  • 関税課税価格のうち、課税対象外分の価額をアンバンドルすることによる関税コストの削減
  • 輸入/輸出加工の効率化/能率化
  • 保税倉庫その他保税地域を活用した戦略の立案
  • 関税の還付
  • 自由貿易協定・経済連携協定の効果的な利用

リスク管理及び法令遵守サービス

  • 「ヘルスチェック」を通じ現状における法令違反によるリスクを査定し、それらリスクの軽減
  • 税関監査に対する支援及び戦略的アドバイスの提供
  • 能率的な貿易管理プロセスの立案と導入支援
  • 関税コスト削減のための課税価格や輸入関税分類の事前確認
  • 関税及び貿易制度における社内研修、ワークショップ開催
  • サプライチェーンの安全確保
  • 輸出管理や特別な許可のための必要な準備

海外における日本企業の運営及び事業拡大支援

  • 市場調査や分析
  • 国外の関税及び貿易に関する法令に則った手続きの構築と導入支援
  • 外国の税関当局に対応するための、実践的及び戦略的なアドバイス

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私どもの実績

新しいビジネスモデルにおける関税コストの削減

多国籍企業であるクライアント様は、シンガポールにおける購買拠点を用いて日本に製品を輸入していましたが、2013年の関税定率法改正により従来の課税価格による申告ができなくなりました。クライアント様は効率的に輸入ビジネスモデルを修正するため私どものアドバイスを求められてきました。Read more

提供したサービス

私どもはクライアント様の従来のビジネスモデルを詳細に分析し、二つの解決策を見出しました。一方は日本の居住企業が輸入者となるようビジネスモデルを修正する案、他方は別の関税評価方式を用いる案であり、私どもはこのうち後者の案がより有益であると判断致しました。私どもは国内販売価格から逆算する関税評価方式の構築及び課税価格の確定に対するアドバイスを行い、また税関によるこの新たな評価方式の承認と、この方式に基づいた包括評価申告書の提出においてクライアント様をサポート致しました。

達成した成果

  • 簡潔な計算式を用いり、新たな評価方式に対して税関の承認を得た
  • 販売価格のうち相当額を関税及び消費税の課税対象から外すことで、日本の居住者を輸入者とするビジネスモデル修正案以上の大きな関税コスト削減を実現した
  • クライアント様と税関との理解を深め、良好な関係を構築したことで、税関からの質問が減り、将来的な事後調査の蓋然性を低くした

 

新しいビジネス機会の特定

化学製品の貿易会社であるクライアント様は、海外から日本国内の第三者顧客へ製品を販売していました。ビジネスの順調な成長に伴い、クライアント様は市場の拡大と敏捷性を高めるため、自社でのビジネスオペレーションを構築する機会を模索していました。Read more

提供したサービス

最初に私どもはクライアント様の製品を、関税その他国内税徴収基準を確定するため、輸入統計品目表に基づいて分類を致しました。この分類を基に、保税蔵置場や保税作業などの選択肢も視野に入れた適切な承認や手続き、またそれらにおける必要書類を明確に致しました。その際、日本国内の関係当局とミーティングを行い、法令の曖昧な定義や表現等を明確にすることで、クライアント様の期待に添いました。

上記に基づき、私どもはクライアント様と半日にわたるワークショップを開催し、多様なビジネス機会及びそれらの影響について話し合いを行いました。ワークショップで私どものリサーチ、分析及びプレゼンテーションに基づきクライアント様は自社でのビジネスオペレーションを取りやめましたが、私どもが提供した自由貿易協定・経済連携協定の活用機会を用いることで、クライアント様製品の日本市場での競争力を高めました。

達成した成果

  • 日本国内において自社でのビジネスオペレーションを行う際の、関税及び貿易に関する法令を遵守するための必要事項の理解を深めた結果、潜在的なリスクが高いビジネスモデルを取りやめた
  • 定量化することは困難であるものの、自由貿易協定・経済連携協定の活用による製品競争力の向上と更なるビジネス成長を遂げた

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Robert Olson

Director

Tel: +81 (0)03 5251 6737

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